園長便り2022-14

 「BOYS BE AMBITIOUS」

園長:中村貫太郎

 

幼稚園から見える手稲山が紅葉し、園庭ではこれまで園児がたくさん捕まえていたダンゴムシも、見つけることが難しくなってきました。もうすぐ園庭も冬支度を始める予定です。寒くなり体調も崩しやすい季節となりますが、皆さまの健康が守られるようお祈りしております。

秋も深まる中、休日に北海道大学のキャンパスを散歩していると、見事に紅葉したイチョウ並木を見ることができました。

道路には落ち葉が敷き詰められ、一面に黄色のじゅうたんが敷かれているみたいでした。観光客や落ち葉遊びを楽しんでいる親子でにぎわっていました。

北海道大学といえば、真っ先に思い浮かぶのはクラーク博士ではないでしょうか。キャンパス内のほとんどの案内標識にも博士のシルエットがついています。

羊ヶ丘にある博士の立像は観光名所としても有名です。全国的にも知名度の高いクラーク博士ですが、北海道大学の前身となる札幌農学校での働きは1年にも満たない期間でした。役職も校長ではなく教頭でした。学校のトップでもなく短期間の働きにも関わらず、後世に大きな影響を残す存在となりました。

また、博士が日本を去る時に残したといわれている「Boys,be ambitious.(青年よ、大志を抱け)」という言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ambitious」という単語には「野心的」という意味もあるので、「野望を持て」と利己的な意味で捉える人もいるようですが、博士はクリスチャンでした。

学生にも聖書を配り、最低でも週に一回は聖書を学ぶ集会に出席するよう呼びかけていました。聖書には「自分の野心の為に生きましょう」という教えはないことからも、博士の言葉はそういう意味ではなかったということができます。

では、何のためにどんな大志を抱くべきなのでしょうか。

博士が学生たちに示した「イエスを信ずる者の契約」の中には「あなたは、心を尽くし精神を尽くし力を尽くして、主なるあなたの神を愛しなさい。また自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」という聖書の言葉が引用されています。

学生たちは「いかなる精神をもって学問を学び、研究し、それを用いていくべきか」ということを聖書の学びから教えられていたのではないでしょうか。

個人的には神と人を愛するために大志を抱けという意味が含まれていたのではないかと思っています。