園長便り2019-12

こころをまもる

   園長:平田泰三

 *******************

急に朝夕の気温が寒くなりました。あわてて防寒着を出したり、西区では雪虫が飛んだのを目撃した人がいるなど、冬が近いことを思う今日この頃です。

********************

少し前のことですが「AERA with Kids」という雑誌に系列の三育中学校の記事が掲載されていました。北海道には系列の中学校はありませんが、全寮制の学校ですので、北海道からも入寮可能です。

記事はこちらからご覧いただけます。↓

https://dot.asahi.com/ad/19060501/05.html

さて、あらためて「三育教育」の中心となるものはなんだろうと考えました。それは「こころをまもる術について伝えることができること」ではないだろうかと思いました。もちろん大切な「知識」を伝えることを学校の目的としていますが、「知識をどう使うか」という実践の部分、生き方が伴うものを「知恵」と表現します。「知恵あるこども」となることが三育教育の柱となっています。こころの教育の大切さはどの園、学校でも取り組んでいます。しかし、それは「道徳」的であり「倫理」的であると感じます。道徳、倫理はとても大切です。しかし、それを超えて「信じる」ことが更に大切です。「信じるこころ」がこころを守るのです。「信じるこころ」について子どもも教師も共に考えることができるのが三育ではないかと思います。「信仰(信じるこころ)と希望と愛、この三つは永遠に残る」(コリントの信徒への手紙Ⅰ 13章13節)と言われています。「永遠」に残るものの一つが「信じるこころ」です。

聖書に出てくる人物は例外なく失敗しました。弟子のペテロという人の大失敗について聖書は記録していますが、イエス様はペテロの失敗を予測した以上に、その人が「立ち直ってまた弟子としての働きをする」と信じた人でした。(ルカによる福音書22章32節)こどもは「失敗して学ぶ」存在です。それを見守るわたしたち大人は、時に「大丈夫だろうか」と不安になりますが、見方を変えて失敗の向こうを信じてあげられる存在となり、可能性をいつも信じてあげることができればと思います。「自分は信じてもらっている」と感じられる子どもは自分自身を守ることができると思います。