園長便り

クリスマスに愛を伝えよう

ある寒い朝のことでした。一人の若いお母さんが台所で朝食を作っていました。彼女は冷え症で、足が冷えてしかたありません。無意識のうちに、「足が寒い」と言いながら、食事を作っていました。すると、急にふくらはぎがぽかぽかとあたたかくなったのです。見ると、小さな娘が、その小さな手を母親のふくらはぎに当てているではありませんか。そして「あったかい?」と尋ねるのです。「うん、あったかい。○○ちゃんありがとう」。女の子はうれしそうに笑います。それから手を離すと、女の子はストーブのところにかけていって、その前で手をかざすのです。そして、手が暖かくなったら、また急いで走ってきて、母親のふくらはぎをあっためてあげるのでした。足が寒いという母親のために、小さな女の子は、まず自分の手をストーブで暖めて、その暖かくなった手をお母さんの足にあてたら、きっとお母さんの足もあったかいだろうと、そう考えたのです。母親は、その小さな手のぬくもり以上に、娘の自分に対する優しさで心が暖かくなりました。

小さな子どもの愛はとても純粋です。大人が忘れかけていたような暖かな愛が溢れています。その暖かな愛は、生まれながら自然に備わっているものではなく、お父さん、お母さんから注がれたたくさんの愛が反映しているのです。ですから、これからもたくさんの愛を注ぎ続け、愛していることを伝え続けてください。それがお子さんの豊かな人格形成に大きな影響を与えるものとなるからです。

ある方のお子さんが「あのね、わたし生まれたときからずっとお母さんのこと大好きだったよ」と言いました。それを聞いて、涙が出るほどうれしかったとその方は言っていました。大人ですら、我が子のちょっとした一言に胸がいっぱいになるとするなら、小さな子どもの心はなおさらです。

クリスマスは子どもに愛を伝える良いチャンスかもしれません。クリスマスは、神様もあなたを愛しているよと伝えてくださっている日なのですから。