園長便り2023-15

「共同性」

園長:中村貫太郎

先日は発表会にお越しいただき、ありがとうございました。練習から発表までの活動を通して、みんなで協力してひとつのものを作り上げる体験ができたのではないかと思います。本番では少し緊張していたようですが、それもまた良い経験となったのではないでしょうか。

さて前回、小学校から高校において「主体的・共同的な学び」の重要性が再認識され、探究学習が取り入れられるようになったことをお伝えしました。それ以前の教育現場では既に決まった答えがあり、その正解を導き出すことを主にして学んでいました。しかし、私たちが生きている世界には、いまだ解明されていないことや答えが出せない問題が沢山あります。人間関係においても物事を論理的にとらえる人もいれば、感情的にとらえる人もいます。この2者が同じ問題について話し合っても、平行線で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。お互いの立場や主張を理解し、協力して問題解決に向けて考える力が求められています。

共同性について教育要領では次のように示されています。

「友達と関わる中で、お互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したり、充実感を持ってやり遂げるようになる。」

共感して遊ぶ事を楽しむ子ども。友達の気持ちに気づいたり、自分の思いを調整しようとする子ども。同じ目的に向かって話し合い、遊びを作っていく子どもなど、年齢や発達段階によって違いはありますが、幼稚園でもこのような姿を見ることができます。このような行動がとれるようになるには、3歳までに自分の思いをしっかりと受け止めてもらえた経験が積み重ねられているかどうかが鍵になると言われています。核家族化が進み、家庭内においてのコミュニケーションも減りつつある現代ですが、これからも大切に育てていきたい姿ではないでしょうか。