園長便り2024-16

「クリスマスとは」

園長:中村貫太郎

大通公園のホワイトイルミネーションが点灯し、街中がきらびやかになりました。イルミネーションのオープニングセレモニーでは、札幌三育小学校の児童によるクリスマスソングやトーンチャイムの演奏がありました。

ステージの周りではミュンヘンクリスマス市も開催されており、一気にクリスマスの雰囲気になりました。

日本でクリスマスといえば、サンタクロースにプレゼントをもらうというイメージが強く、子どもたちにとってはウキウキする楽しいイベントのひとつになっています。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、クリスマスの起源はイエス・キリストの降誕を記念する祭日として始まりました。ですから厳密には「お誕生日おめでとう!」とキリストの“誕生日”をお祝いするものでもありません。聖書には日付に関する記述はなく、正確な日は不明だからです。では、クリスマスとは何をお祝いする日なのでしょうか。

前回、園便りでチャプレンの解説があったように、神が人としてこの世界に降誕し、私たちと同じ痛みや悩みを経験されたことで、ただ天上から見ているだけではなく、全ての人に寄り添う存在である事を示されました。そうするほどまでに私たちを愛して下さっているということを覚え、感謝を捧げる日がクリスマスなのです。

一人で暗い大雪原を歩くことを想像してみてください。道は雪で隠れ、街灯もない場所ではどこに向かって進めば良いかも分かりません。踏み出した一歩先には穴が開いているかもしれないという不安と恐怖の中での歩みは、精神的にも肉体的にも苦しいことでしょう。しかし、そこに大雪原を熟知した人の足跡を見つけたとしたらどうでしょう。その先に民家がある事を願いつつ、望をもって足跡をたどって行くのではないでしょうか。暗闇の中を先に歩き、道を示しながら共に歩んで下さるのがイエス・キリストです。なんと心強いことでしょう。

「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」ヨハネによる福音書3章16節