園長便り2024-12

「コスモス」

園長:中村貫太郎

前回、幼稚園の花壇にコスモスが花を咲かせたとお伝えしましたが、風の強い日に半分以上が茎ごと倒されてしまいました。根が露出したものもあったので、土を掘り起こして少し深い位置に植え直してみました。しばらくの間は力なく萎れ、柳の枝のようにうなだれていましたが、どうにか持ち直してまた花を咲かせてくれるようになりました。その生命力の強さに感動しました。

コスモスはキク科の植物で別名「大春車菊(おおはるしゃぎく)」といいます。漢字でも「秋桜」と書かれるので日本に昔からある花だと思っていましたが、原産地はメキシコだそうです。そこからスペインに渡り、日本には江戸時代末期に種子が伝わり、明治時代から本格的に栽培が広まったそうです。コスモスの語源はギリシャ語の「kosmos」からきており「秩序」「調和」などの意味があるそうです。8枚の花びら(舌状花)が規則正しく並んでいる様子から、秩序を表すコスモスと名付けられたそうです。

幼稚園の花壇に咲いているコスモスはおそらく「ラジアンス」という品種で、桃色で中心部に紫紅色の蛇の目模様がついているのが特徴です。先日、その中に一輪だけ様子が違う花をみつけました。8枚ある花びらの2枚だけが桃色ではなく白色のコスモスでした。

秩序正しくもなく調和もしていませんでしたが、どうしてこのような現象が起こるのか、コスモスについて調べたくなるきっかけとなりました。こうしたことの積み重ねが、体験を伴った学びへとつながっていくのだと思います。

子どもたちの園生活においても、色々なことに興味を持ち、調べて考えるきっかけをたくさんつくっていけたらと思います。