園長便り2023-03

 「ヘルメットを身につける」

園長:中村貫太郎

先月から年齢を問わず、自転車に乗る全ての人にヘルメットの着用が努力義務となりました。ニュースでも報道されていましたが、ヘルメットの製造が追いつかない状態が続いていたようです。現在では少し状況も落ち着いてきたようで、品薄ですが店舗でもヘルメットを目にすることができるようになりました。

努力義務化になった背景には、近年、自転車事故件数が急増しているということがあげられます。その中でも死亡・重症事故の8割近くは自動車が相手で、亡くなった方の約6割が頭部に致命傷を負っているということでした。データからもヘルメットの重要性が分かります。

なお、5月11日~20日は春の全国交通安全運動の期間となりますので、ご家庭でも自転車の乗り方について再確認していただければと思います。

さて、子育てにおいて「しつける・訓練する」ということは、自転車でいえばヘルメットなど、プロテクターを身につけることにあたるのではないかと思います。補助輪を外す練習をするときに、転ばないようにいつまでも支え続ける親はいません。子どもに自分でバランスを取る感覚をつかんでもらわなくては意味がないからです。

また、一人で乗れるようになってからも、転んでケガをさせないようにと、先回りして道路から危険だと思われる物を全て排除したり、他の車が入ってこないように通行止めにしたり、アスファルトの上にクッションを敷き詰めたりする親はいないと思います。自転車は自分の足でペダルを漕いで、気ままに色々な道を走っていくことができるから楽しいのです。ですから転んだとしても、どの道を選んだとしても、どんな場面でも身を守ることができるヘルメットを着用させることが最優先となるのです。

家庭でしつけられ訓練されたことは、色々な人と関わりをもつ世界へ出た時に、選択の基準となり身を守る盾となってくれます。友達とケンカをしたり、何か失敗をしたときに、物や誰かのせいにしていつまでも立ち直れないということにならないように、「どうしたら良かったのかな」と前向きに捉えて、すぐに立ち上がることができるヘルメットを身につけさせてあげたいものですね。