園長便り 2022-03

「砂場あそび」

園長:中村貫太郎

花壇の花も色づき、過ごしやすい季節になりました。園庭での活動も始まり、外では子どもたちの元気な声が響いています。

園庭を開放した初日に、園児が一目散に向かったのは砂場でした。スコップで掘った砂を積み上げて大きな山を作る園児もいれば、お団子を作りおままごとを楽しむ姿がありました。

砂場といえば、だいぶ前に「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というタイトルの本が出版されベストセラーとなりました。その一部をご紹介します。

 

人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである。わたしはそこで何を学んだだろうか。
何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものは必ずもとのところに戻すこと。
散らかしたら自分で後片付けをすること。
人のものに手を出さないこと。
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。
食事の前には手を洗うこと。
トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。
―中略―
人間として知っていなくてはならないことはすべて、このなかに何らかの形で触れてある。ここには、人にして欲しいと思うことは自分もまた人に対してそのようにしなさいというマタイ伝の教え、いわゆる「黄金律」の精神や、愛する心や、衛生の基本が述べられている。
ロバート・フルガム著「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」 より

本の続きにも書かれていますが、実は幼稚園で教わったことが「人生に必要な全て」とはいえません。しかし、そこには人生を豊かに生きるための基本原則があります。

基本的生活習慣の訓練や、人との関わり方については各家庭でも教えておられると思います。それを実行し友達と関わっていく体験を通して学ぶ場所が幼稚園です。園生活を通して、これからもよき学びが続けられることを願っています。