園長便り2021-19

「ものづくり」

園長:中村貫太郎

2月に入り、作品展に向けての準備が本格的になってきました。ひとりで作る小さな作品から、数人のグループで作る大きな作品まであり、いろいろな作品で教室はあふれています。あとは作品展当日を迎えるばかりとなりました。

ひとりで作る作品の良いところは、納得いくまで自分で考えて作り込むことができるところではないかと思います。ひとつのものを極めていく、いわゆる職人的なものづくりの方法です。

対して複数人で作る作品の良いところは、一人では作れないと思えるようなものでもアイデアを組み合わせ、協力することで作り上げる体験ができるというところではないでしょうか。こちらは組み合わせ的なものづくりの方法といったところでしょうか。

友達と遊びつつもそれぞれ得意なところで協力し、作品ができあがっていく様子を楽しみながら作業していました。

現代はネット社会が発達し、コロナ禍が更にその流れを後押ししたことで、家から出なくても仕事ができる社会となりつつあります。購入したいものも、料理もボタンを押すだけで自宅に届きます。世界中の人とも簡単に繋がることができる様になりました。

40年前には考えられなかった世界です。しかし、それでも私たちの生活を支える根幹にあるのは「ものづくり」です。職人が作った陶器がネットで買えるのも、エンジニアがそのシステムをつくりあげたからで、それを利用するために必要な端末(スマートフォン等)は複数の会社で作られる部品を組み合わせることでできあがっています。

その端末をシステムに繋ぐためには通信網を作り上げ維持している人たちの力があります。

そしてものを届ける運送の働きには自動車や飛行機などの乗り物が必要不可欠となっています。

これまでに色々な人たちによって作られた「もの」が組み合わされて、今の生活があります。

作品展での共同制作の体験が、多くの人と協力して社会を作り上げていく初めの一歩になればと思います。