園長便り2021-13

 「○○の秋」

園長:中村貫太郎

秋晴れの気持ちの良い日に、遠足で円山動物園に行くことができました。短い滞在時間でしたが、多くの動物やきれいな紅葉を見ることができました。

図鑑で知識として知るだけではなく、本物を見るという体験は、子どもたちにとってもよい経験になったことでしょう。

さて、秋には「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」など色々な呼び方がありますが、皆さんにとっての秋はどのような季節でしょうか。

 

調べてみると「○○の秋」というような言葉がある季節は秋だけだそうです。秋は過ごしやすい季節であるということが理由の一つにあげられていました。

確かに夏は暑すぎて食欲もなくなり、できれば運動もしたくない季節です。読書にしても作品を作るにしても暑すぎたり、寒すぎたりすると集中が途切れやすくなります。秋は花粉に悩まされる心配もなく、思考を深めることや外に出て行動を起こしやすい季節といえます。

また、昔は「備えの秋」という一面もありました。秋は収穫した作物を干したり漬けたりして保存食を作る季節でした。保存食の他にも薪や防寒具を用意するなど、冬に向けての大切な準備期間でした。この備えがなければ、冬に命を落とす事すらありました。

現在ではスーパーに行けばいつでも食料品や防寒具を手にすることができるため、その必要性は少なくなってきていますが、それでも秋の季語に「冬支度」という言葉が残っているように、大切な備えの期間であるということができるでしょう。

 

「備える」ということは命を守るための大切な準備です。聖書の中にも次のような言葉があります。

「真の命を得るために、未来に備えて自分のために堅固な基礎を築くようにと。」テモテⅠ6:19

 

子どもたちにとっても、今は未来に向けて大切な基礎を築く備えの時期です。これからの園での体験も、光の子として歩むためのよい備えとなるよう願っています。