園長便り2021-04

 親子の距離

園長:中村貫太郎

前回の園長便りでは子育てをしていく上で、それぞれの状態や成長に合わせて手をかけていくことを、ろくろで器を作る時の力加減にたとえてお伝えしました。今回は手をかけていくときの力の加減についてふれていきたいと思います。

1、乳児はしっかり 肌を離すな

2、幼児は肌を離せ 手を離すな

3、少年は手を離せ 目を離すな

4、青年は目を離せ 心を離すな

これは「子育て四訓」として広く知られている文章ですが、子どもの成長に対して親がとるべき立ち位置や、距離感についてわかりやすく表現されています。

 

乳児は抱っこしたりおんぶするなど、全身でスキンシップをとり、愛情を注ぐ時期です。この時期にしっかりと愛されている事を体験し、心の基地がどこにあるかが分かっていれば、その先の成長においても子どもは安心して新たな事にチャレンジしていくことができます。

幼児になると自分一人でやってみたいという気持ちが強く出てくる時期に入ります。自分でやってみたいという気持ちは自立への第一歩です。その時期にいつまでも肌を離さず、身の回りの事を全てお世話していると、いつまで経っても自立するために必要な事を身につけることができません。少しずつ一人でできる事を増やしていきましょう。

しかし、ここで気をつけなくてはいけないのは、肌を離しても「手を離すな」という部分です。そばで見守り、必要な時にすぐに手助けができる位置で備えることが大切です。できた時は一緒に喜び、なかなかできない時は励ましたり慰めることができる距離で接してあげて下さい。子どもの気持ちを尊重しつつ、手をとり正しい方向へ導いていく必要があります。

「いつの間にかにできる様になっていました」という事がないように、その成長をしっかりと近くで見届けていきましょう。心はいつまでも離さないでいていただければと思います。