園長便り2020-18

子どものストレス

園長:中村貫太郎

「ストレス」と聞くと、心身に良くないものというイメージがありますが、ストレス自体には良い悪いはなく、本来は刺激に対する反応のことを指すのだそうです。ですから要因となる刺激に対して否定的な反応をすることが多い人は、ストレスに対して弱いという事になるようです。否定的な反応としては次の様なことが挙げられます。

心理面:怒り・不安・過緊張・悲しみ・無気力など

身体面:頭痛・腹痛・不眠・倦怠感・動悸息切れ・食欲不振・食欲過多など

行動面:泣く・甘える・乱暴になる・できていたことができなくなる・落ち着きが無くなるなど

元気に遊んでいる子どもたちの姿を見ていると、ストレスとは無縁ではないかと思ってしまいますが、幼児期は初めて体験することがたくさんあります。要因となるかもしれない新しい刺激が、たくさんある状況といえます。そして、まだ自分の体や心の状態を言葉で表現することが難しい時期でもあるため、身体面の不調や行動面の変化に反応が見られることが多いようです。

園においてもプールに行く前にお腹がいたくなったり、家ではおもちゃを大切に扱う子が園では乱暴に投げたりするというように、家と園での行動が正反対であるなど、身体面や行動面での反応はよく見られます。

お家でもこのような反応が見られた時は、まず安心感を与えることが基本となります。ゆっくり話を聞いてやさしく受け止めてあげると良いでしょう。その他にもストレスへの対処方の一つとして、出来事や相手を肯定的にとらえるという方法があります。肯定的な思考は精神を安定させるセロトニンという脳内ホルモンを活性化させます。「今日は忙しくて疲れた」「今日は充実していた」と肯定的な言葉にするだけでも、脳は強化されていくのだそうです。

今日も子どもたちが「楽しかった」という思いをもって、一日を終えることができるよう願っています。

聖書の言葉

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」

テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章16~18節