園長便り2020-15

 しつけの時期

園長:中村貫太郎

私が幼い頃、家で飼っていた猫が赤ちゃんを産んだことがありました。可愛くてしかたなくて、毎日のようになでていたことを覚えています。ペットショップでも子犬や子猫を見ていると、それだけで癒やされた気持ちになるから不思議です。しかし、いざ実際に飼い始めると、しつけという根気のいる訓練が待ち受けています。中でも子犬によく見られる甘噛みは、成犬になれば自然になくなるものではなく、小さいうちにしつけないと、将来噛み癖がついて困ったことになる場合があります。

専門家によると甘噛みのしつけには、噛めない環境を作ること、噛みたいエネルギーを散歩などで発散させること、そして手は噛むものではないことを態度で示すことなどがポイントになるそうです。逆に甘噛みを悪化させるしつけとして、次の8項目が紹介されていました。

①大声を出したり叫んだり叱ったりする

→気をそらすための大声は、効き目があるのは最初の頃だけ。また体を噛まれた時に叫ぶと反応を面白がり更に甘噛みする場合がある。

②何度も噛ませ続ける

→噛ませたままにしていると「これは噛んで良い物」と間違えて覚える。

③一貫性がない

→その時々によって飼い主の反応や指示が違うと、犬が混乱してきちんと伝わらない。

④留守中に部屋で自由にさせている

→自由にさせすぎると落ち着かず不安になる。その気持ちを落ち着けるために目についた物を噛む。

⑤興奮するまで遊ばせる

→楽しい気持ちが高まりすぎると、甘噛みを悪化させる原因になる。興奮して噛む力が強くなると落ち着かせるのも難しくなる。

⑥噛まれやすい手づかいをしている

→手でからかうように犬の相手をしていると、動く物を追いかけて噛みつく本能を刺激して興奮させてしまう。

⑦甘噛みしてきたらかまっている

→噛めばかまってもらえると勘違いする。

⑧体罰や叱ること

→噛みつき返して痛みを与えたり、力任せにつかんだりすると、体罰を恐れて一時的にやめても、恐怖心から飼い主以外の人を噛んでしまう危険性がある。

(参考:いぬのきもち WEB MAGAZIN)

幼稚園の園児たちも、今がしっかりとしつけをする時期にあります。犬と人間では違いますが、参考になる部分は沢山あるように思います。可愛いからとほめて甘やかすだけや、体罰を与えて厳しく叱りつけるだけでは子どもは正しく理解することができません。特に幼児期は親に言われた言葉よりも、親との関わりの中で体験したことを覚えていきます。もうすぐ冬休みに入り、おうちで過ごす時間が増える機会に、改めて家庭でのしつけについて、家族で考えるきっかけにしていただければと思います。