園長便り2020-14

コミュニケーション

園長:中村貫太郎

金曜日にプレイルームを歩いていると、ひとりの年少児に呼び止められました。何かを言いたそうにしているのですが、どう言ったら良いのか悩んでいるようでした。いろいろと考えながら伝えてくれたのは「明日、○○(自分の名前)の家の花屋の前に来て~」ということでした。私は「なぜ、家の花屋の前?」と疑問に思いつつも、単純に自分の家に来て欲しいと言っているのかなと理解し「明日は幼稚園もお休みだから、行けないかな~?」と答えました。年少児は少し残念そうな顔をしていました。

しばらくして、その年少児が担任の先生と一緒に園長室の前にやってきました。そして、先生に助けてもらいながら伝えてくれたのは「今度体操をした後、お部屋に帰る行進の曲に『世界に一つだけの花』をかけて欲しい」という内容でした。

「明日」=「今度」

「自分の家」=「自分の教室」

「花屋の前」=「花屋の店先に並んだ」(世界に一つだけの花の歌詞)

「来て~」=「曲をかけて欲しい」

謎は全て解けました。そして年少児なりに一生懸命考えて伝えようとしたことがよく分かりました。

「今度、園長先生が曲をかけるお仕事の日にかけてあげるね」と約束をすると、笑顔で戻っていきました。

大人になると、会話や言葉がコミュニケーションの主な手段になってきます。上手に自分の思いを話せるようになるには、語彙力が欠かせません。語彙を増やすには読書の他に、親や祖父母、教師など大人とたくさん会話する事が効果的だといわれています。この園児はまさにそれを実践していたことになります。私たちも良いお手本となれるよう、普段から使う言葉にも気をつけていきたいものだなと思いました。

「いつも、塩で味つけられた、やさしい言葉を使いなさい。そうすれば、ひとりびとりに対してどう答えるべきか、わかるであろう」

コロサイ人への手紙4章6節(聖書)