園長便り2020-11

優しい言葉の選び方

園長:中村貫太郎

ちょうど1年前、NTTドコモが2026年3月で「iモード」のサービスを終了するというニュースが流れました。iモードは1999年にサービスを開始し、それまで音声通話しかできなかった携帯電話で、インターネットや電子メール、着メロやゲームなどを利用できるようになったことが話題となりました。スマートフォンが主流となった現在では、手のひらの上で映画視聴に動画編集まで出来るようになりました。デジタル技術の進歩には驚くばかりです。

さて、前回の園便りで「頑張りを認める」ということと「心が元気になる言葉がけ」について少し触れました。かけっこで一等賞になった子を認めて褒めることは簡単ですが、全力で走ったのに最後になってしまった場合、どんな言葉をかけたら頑張りを認めて、心を元気にすることが出来るのでしょうか。

二つのポイントをご紹介します。一つ目は共感することです。子どもが負けたことを悔しがっていたら、その思いに共感して声をかけてあげましょう。二つ目は「i(私)」が主語になるiメッセージを使って話してみてください。これらを踏まえて言葉をかけるとしたら「負けて悔しかったね。でもね、お母さん(私)は一生懸命走る姿を見て感動したよ」といったところでしょうか。

iメッセージについては育児書などでもよく紹介されているので、ご存じの方も多いかと思います。この方法は子どもをしつける際にも有効です。例えば片付けをしない子どもに「あなたはどうしていつも出しっぱなしで片付けないの!」とかけた言葉を、iメッセージに変換すると「出している物をしまってくれると、お母さん(私)は嬉しいな」となります。子どもを責めて否定することなく願いを伝え、さらに「嬉しい」というプラスに繋がる気持ちを伝えることができます。しつけは子どもの幸せを願っておこなう行為です。iメッセージは一方的に「私」の要求を押しつけるのではなく、共感し、子どもへの「愛」を優しい言葉で伝えるために活用することが出来るのです。まさに「愛」メッセージです。

ドコモのiモードは6年後に使えなくなりますが、ココロの愛モードは一生使うことが出来ます。しかも無料です。怒りモードで子どもを叱ってしまいそうになった時は、一息ついて心を愛モードに切り替えて、言葉をiメッセージに変換して話してみてください。