園長便り2020-04

バランスのとれた実

園長:中村貫太郎

6月も残すところあと4日となったところで、ようやく初夏を感じられる陽気になってきました。先週は寒さに耐えきれず、夜にストーブをつけてしまうこともありました。天候も不安定な日が続き、園児達は園庭で遊べないことを残念がっていました。

しばらく外に出られなかった間に、園庭ではちょっとした出来事がありました。園庭の整備をするために外へ出ると、砂場のネットの上に赤い実が一粒落ちていました。見上げると、例年は数粒しか赤く実らなかったさくらんぼの木に、たくさんの赤い実がついていました。16年前に三育幼稚園の園庭に移植されて以来、毎年赤くなる実は3、4粒ほどしか確認できませんでしたが、今年はなんと30粒以上の赤い実を確認することができました。後日、収穫して職員で試食をしてみました。ちゃんと甘みもあり、美味しいさくらんぼでした。中には思わず顔をしかめてしまうような酸っぱい実もありましたが、それでも確かにさくらんぼでした。

この出来事があってから、少しさくらんぼについて調べてみました。正式名称は「桜桃」といい、その名前は太宰治の小説のタイトルにも使われていました。現在、日本で栽培されているのはセイヨウミザクラという種類がほとんどだそうです。ルーツはイラン北部からヨーロッパ西部にかけて自生していたものがドイツに伝わり、そこから明治初期に北海道に植えられて東北地方に広がっていったそうです。その栄養価は、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分など、一粒に様々な栄養がバランス良く含まれているそうです。栄養バランスの良い果物として紹介されていました。疲労回復、美肌、貧血、冷え性、動脈硬化予防など、いろいろな効能が期待できるようです。

少し話は飛躍しますが、三育教育では知・徳・体のバランスが重要だと考えています。それぞれが調和していくことで、神様を敬い、人を愛し、人に奉仕する、神様と人に愛される人物に成長することができると考えています。栄養バランスの良いさくらんぼにいろいろな効能が期待されているように、三育幼稚園で育つ園児達が調和のとれた赤い実をつけ、人に奉仕するために多くの可能性を持った人物へと成長することを願っています。