知恵の花がパッと咲く
園長:中村貫太郎
雨の日が続き、園庭の芝生の緑色が少しずつ濃くなってきました。ラッパ水仙にムスカリの花も咲き始めました。前回より生長を見守っているチューリップは無事につぼみをつけ、間もなく黄色い花を咲かせようとしています。いつ花びらがパッと開くのか、楽しみにしています。
前回の園便りでは、「まほうのかいわ」について紹介しました。言っていることはなんとなく分かるような気はしますが、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。
私の息子が2歳くらいの頃のことです。お風呂で息子の頭を洗い、お湯で泡を流すと、息子は前髪から滴る水滴を見つめて「おっ、雨だね」と言いました。おそらく雨の日にどこかで見た水の滴りと、目の前で起きたことが繋がったのでしょう。滴る水を雨と表現したのでした。頭の中で知恵の花がパッと咲いた瞬間でした。
さて皆さんだったら、その後になんと答えますか。
A:「残念でした、これはお風呂のお湯って言うのよ」
B:「本当だ!これは雨だね。さすが、頭いいなぁ~」
C:「なるほど!本当に雨みたいだね」
D:「はぁ?なに言ってんの」
Aは発見を否定した上に考える余地がありません。Bは間違えているのに肯定しすぎて、考える余地がありません。Cは肯定しつつ「みたいだね」と、少し考える余地を残しています。Dは子どもの発見に気付いてすらいない、と言ったところでしょうか。子どもには、肯定しつつ考えていけるように育って欲しいものですね。そのためには親にかけられる言葉が、とても重要になります。次にお子さんが何かを発見した時が、「まほうのかいわ」のチャンスです。知恵の花がパッと咲く瞬間を、楽しみにしていただければと思います。