園長便り2018-15

「いのちの道」を選ぶ

園長:平田泰三

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先日は園の発表会を無事行うことができました。保護者の皆様の舞台裏、園児控え室でのお手伝い、観覧席での応援、心から感謝いたします。お子さん方がんばりました。

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ここ数回にわたり「選択する力」についてお伝えしています。先日NHKスペシャル「命の終わりと向き合うとき」というドキュメンタリー番組を観たのですが、その中で、高度救急医療技術の発展に伴い、ご高齢者のいのちの危険に際して、人工呼吸器をつけるか、否かの決断をご家族に迫る場面があり、現代人は「究極の選択」をしなければならない時代になっていることが伝えられていました。答えは簡単には出せない、非常に難しく、葛藤のある「選択」です。そのような選択においては、各自の「死生観」を持つことの必要、大切さを想いました。

ご存知のようにわたくしは牧師でもあります。人の最期、臨終の場に立ち会うこともあります。20年近く前のことですが、今までの経験で、どのように言葉かけをし、接したらよいかわからず、一番辛かったのは、7ヶ月目の早産で生まれ14日間保育器の中でがんばりましたが、亡くなった赤ちゃんの葬儀を頼まれた時でした。また、次女が小学3年の時、病気で小児病棟に入院したことがありましたが小さな子どもが亡くなってしまう現実、理不尽さに打ちのめされました。

厳しいことですが「いのちを大切にする」という意味で「死」を考えます。「死」を考えることは「生」を考えることです。聖書には「いのちの道」と「死の道」という言葉があり、「いのちの道を選ぶことができる」とあります。(旧約聖書申命記30章15-19節)

「死を考えること」は決して不吉で、縁起でもない、忌み嫌うことではなく、「いのちを大切にするために」考えておかなければならない課題ではないでしょうか。

「はっぱのフレディ」(童話屋)「ずっとずっと大好きだよ」(評論社)等、幼児子ども向けの絵本、良書があります。お子様とご一緒にそのような絵本を通して大切なことを考えていただければと思います。また身近なペットが亡くなったりした折は「いのちの大切さ」をお子様とご一緒に考えていただく機会となるかと思います。子どもたちには将来にわたり「いのちを大切にする選択」ができるように願っています。