園長便り2017-16

 叱る回数が減る知恵

 園長 平田泰三

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師走になりました。ツルツル路面の中、お子さまは登園、降園、ご家族の送り迎え、また出勤等、誠にお疲れ様です。足元どうぞお気をつけください。今年最後の園通信ですので、少し早いですが、皆様どうぞよい年末・年始をお迎えくださいますように、今年のご厚情に感謝しつつ、一言ごあいさつ申し上げます。

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自律にとって大切なこと。子どもは未熟な為、社会のルールを人生の先輩である大人から、社会性を見につけるための「しつけ」を必要とします。自分自身が十分にできているわけではないですが、一つ心がけておりますことをお伝えできればと思います。第1点目に「しつけ」を考えるにあたり、「叱る」と「怒る」の違いについて考えてみましょう。「叱る」:確かな目標、目的があります。その目標、目的から子どもがそれてしまっている時、叱ります。「怒る」:これは、感情任せであり、目標、目的はありません。自分の思い通りにならないことにいらだっている状態、といえるかもしれません。よって第2点目として、大切になることは「将来どのような子になってほしいか」という親御さんのお子さんのことを思う願い(価値観)であると思います。第3点目として、今の時期のお子さんに対しては、口をひらけば、叱らないといけないことばかりで、疲れてしまわれるということがあるかもしれませんが、「叱る」回数が減っていく知恵について、聖書は次のような言葉を伝えています。それは「わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと模範(お手本)を示したのである」(ヨハネ福音書13章15節)という言葉です。

シンプルですが、子どもは大人の「鏡」です。子どもは親の真似をすることを喜びとします。子どもにこのようにしてほしい、このようになって欲しいということを、大人がまずそのようにする、模範を示す、お手本となる、実践すると、こどもはそれを学びます。一説には、「学ぶ」という語源は「真似る」から来ているといわれています。「子どもにしてほしいことを、まず親がお手本として実践してみる」ことは、「叱る」ことが少なくなっていく黄金律、知恵のようです。