園長便り

免疫力を高める食事

園長:村沢秀和

今年の夏は、それほど暑くなく、比較的過ごしやすい日が多かったように思います。子どもたちとも良い夏休みを過ごすことができたのではないでしょうか。

ところで、この原稿を書いているとき、アフリカで発生したエボラ出血熱に感染し死亡した患者が1000名を超えたとの報道がありました。そして、アフリカ人以外の国の人の感染や死亡も確認され、WHOでは、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。このエボラ出血熱という病気は非常に感染力が強く、致死率は90%と言われています。また、しっかりと防護服に身を包んでいたはずの医療従事者に感染が広がっているということも大きな問題になっているようです。まだ、日本人の感染はいませんが、これ以上広がらないように願うばかりです。

これほど科学が発展した現代においてもわたしたちは常に細菌やウィルスの脅威にさらされています。わたしたちにできることは、感染しないように気を付けることと、自己免疫力を高めることです。特に免疫力が弱い子どもたちは、免疫力を高める栄養をしっかり摂取することが大切です。

免疫を高めるためには野菜をたくさん食べることです。野菜に含まれるビタミン類は他の栄養素の働きを助け、体の生理作用を調整し、細胞に力を与え、そして免疫力を高めてくれます。免疫力の主役になるのは白血球ですが、この白血球の働きを活発にさせるには腸内細菌が重要な役割を担っています。そして、この腸内細菌のエサとなるのが野菜、豆、穀物、果物などです。だから、野菜を食べると、免疫力が高まるのです。

また、同じ野菜でも旬の野菜を食べることが大切です。夏の野菜であるきゅうり、ピーマン、トマトなどは汗で失われるカリウムなどのミネラルや、紫外線の弊害を軽減する栄養素が豊富に含まれています。また冬の野菜である根菜類は冷えた体を温める効果があります。同じ野菜なのに、ちゃんと季節ごとに人間の体に必要な野菜が取れるというのは、考えてみると不思議なことです。しかも、免疫を高め、健康維持に必要な栄養が詰まっているというのも不思議です。

ところで聖書を開くと、野菜や穀物は人間の食物として神様がお与えになったと書かれてあります。クリスチャンにはベジタリアンが大勢いますが、それは美容と健康のためというよりも、実は聖書の原則から来ているのです。