園長便り

子どもと笑いあう時を持とう

園長:村沢秀和

 

8時45分頃になると、いつも「園長先生、おにごっこしよう」と誘いに来る数名の園児たちがいます。「ちょっと待っててね」とわたしが言うと、「どのくらい?30秒?」そう言ったかと思うと、「いち、にい、さん・・・」と数え始めています。そしてあっという間に、「さんじゅう! 30秒たったよ」とまたやってきます。「じゃあ遊ぼうか」と立ち上がると、園児たちの顔にいっせいに笑顔が広がります。「園長先生が最初おにね」「いいよ。じゃあ、いくぞー!まてー!」

園児たちは、きゃーきゃー言いながら満面の笑みを浮かべて逃げていきます。「まてー!」ちょっと大げさな手振りで追いかけていると、いつのまにか数名の年少さんが、にこにこしながら一緒に走っています。なぜ走っているのかも分からず、でもやっぱり満面の笑みを浮かべて・・・。

 

子どもは笑うのが大好きです。かけっこして笑ったり、いたずらして笑ったり、いつも笑いたいと思っています。たくさん笑って、心はすくすくと育っていきます。ある教育者は次のように言っています。

「子どもたちを楽しくさせ過ぎることを恐れてはならない。楽しさはすべての良い情緒が育つ苗床である。心も体も健康になる。もし楽しさがなければ、その凍りつくような圧迫感は、激しい怒りや緊張感を生み、もっとも悪いことに、心は未熟なままに萎縮し、不愉快な気質になる」

子どもは、お父さん、お母さんと一緒に笑いたいと思っています。ぜひ、お子さんを楽しませてください。そして、一緒に笑い合うときをたくさん持ってください。子どもと一緒に笑い合える時間は、そう長くはありません。あっという間に巣立っていきます。だから、いま一緒に笑い合えることを幸せに感じてほしいと思います。子どもも幸せを感じています。

ベッドルームの壁に息子が1年生のころ書いた絵が一枚飾ってあります。絵の中では、妻がにこっと笑っています。お姉ちゃんもにこっと笑っています。本人もにこっと笑っています。そしてわたしもにこっと笑っています。そして、よれよれっとした字でこう書かれてあります。

「し・あ・わ・せ」

この絵を見るたびに思うのです。家族が一緒に笑い合う、それだけで子どもは幸せを感じるんだなあって。いや、子どもだけではありません。大人も幸せなのです。

聖書は次のように教えます。

「いつも喜んでいなさい」(第一テサロニケ5:16)と。