園長便り

夫婦愛で子どもは育つ

子どもが生まれたとき、一冊の薄い子育て本を買いました。タイトルは「若い父親のための10章」(ジョン・M・ドレッシャー著)。本棚に眠っていたその本を久しぶりに手にとって読み返してみました。そして、初めてその本を読んだときに受けた衝撃が、再び蘇ってきたのでした。

第一章の書き出しはこうでした。「もし、わたしが父親をやり直せるなら、わたしは子どもの母親である妻を、もっと愛したいと思う。わたしは自分が妻を愛していることを、子どもたちに臆することなく示したい」。

子どもの育て方について、いろいろ書かれてあるのかと思いきや、いきなり「自分は子どもの母親である妻を、もっと愛したい」で始まるとは、いかにもアメリカ人らしいと思わされたのですが、しかしそこには深い真理があるように思わされました。

両親が互いに愛し合っていることを子どもが知っているとき、子どもは他の何ものをもってしても得られない安心感を得ることが出来ます。また、人生の尊さや喜びを感じることが出来きます。

あるカウンセラーの先生は、子育てに悩む母親に、「お母さん、子どもというのはね、夫婦の愛のおこぼれで育つんですよ」と言っていました。

子育ては難しいものではない。夫婦が愛し合っていたら、その愛が自然と子どもにも溢れていって、その愛で十分良い子に育つ。これは先の本で言っていることと同じだろうと思います。

考えてみると、新米ママ、新米パパは、たいてい夫婦としても、また新米なんです。だから、まずは夫婦がお互い愛しあい、尊敬しあうこと。そしていつも感謝を表し、微笑みあうこと。それで良いのです。それが最高の子育てになっていくのです。

子育て法というのはたくさんあります。ある人は「たくさん褒めてあげましょう」と言います。またある人は「あまり褒めてばかりいると、鼻が高くなる」と言う人もいます。小さいときから英才教育をするのが良いと言う人もいれば、小さいときはいっぱい遊ばせるのが良いと言う人もいます。いったいどれを信じたら良いのかわからなくなってきます。バランスが大切なのでしょうが、夫婦がいつも仲良くすることに反対する人はいないでしょう。実はそれが子育ての基本なのです。

聖書は次のように教えます。「夫たる者よ、妻を愛しなさい。つらくあたってはいけない」(コロサイ3:19)。その夫の愛の内にあって、「妻たる者よ。主に仕えるように自分の夫に仕えなさい」(エペソ5:22)と。