園長便り2023-02

「鬼ごっこ」 園長:中村貫太郎

今週、札幌では観測史上最も早い桜の開花をむかえました。幼稚園の園庭ではクロッカスやムスカリの花も咲き、芝生も色が濃くなってきたので園庭遊びをスタートしました。先週から外遊びを楽しみにしていた園児たちは、園庭に出ると一目散に走り出しました。やがて鬼ごっこが始まり、しばらく走り回ってから遊具や砂場遊びに移っていきました。

走るという動作は幼児にとってそれほど難しいものではありませんが、実はとても大切な運動です。走るためには両腕を振り、足を後ろに蹴り出します。その動きを素早く繰り返し続けるためには、酸素が必要となるので呼吸も早くなります。それに伴い全身の血流が良くなり体内の機能が活性化されます。走るという動作は心肺も含めた全身運動といえます。

そこに「鬼から逃げる」という要素が加わると、全力で走ることの他に鬼をよけるために方向転換をしたり、急ブレーキをかけたりと様々な動きが必要になります。それは体を上手にコントロールする訓練になり体幹も鍛えられます。体幹がしっかりすると、正しい姿勢を維持できるようになり、集中して話を聞く事へとつながっていきます。

昨今、こどもの体力低下が問題となっていますが、コロナ禍になってから更にその流れが加速したように思います。園においても体の動きがぎこちなかったり、床に寝そべったままで遊ぶ園児の姿が多く見られるようになりました。遊びを通して体を動かすことを楽しむ習慣を作っていければと思います。