園長便り2020-20

上手な雪道の歩き方

園長:中村貫太郎

先週は札幌でも一気に30センチ以上の雪が積もり、1日に3回も除雪機を稼働させる事態となりました。春を目前にしたところでの大雪にはとても驚かされました。部分的にアスファルトが見え始めていた歩道も、積もった雪で道がなくなっていました。

一歩踏み出す度に足の脛まで雪に埋まるような状態では歩きづらく体力も使います。そのため多くの人は、先に歩いた人がつけた足跡を道しるべにして、少しでも歩きやすい場所を通ろうとします。その場所は徐々に踏み固められ、歩きやすい一筋の道になります。その道を通る歩行者は、細い平均台を渡る要領で筋から外れないように歩いて行きます。反対側から歩いてくる人がいた時には、待機できる場所で止まり、譲り合って道を歩いて行きます。

ところが次の日、昼間の暖かさで雪が溶けて、それが夜に凍ってツルツルの道になりました。こうなると、それまでは歩きやすかったはずの踏み固められた道が、1番滑りやすい危険な場所になります。逆に昨日までは歩きにくかった踏み固められていなかった部分が、歩きやすい場所に変化するのです。変化するのは歩く場所だけではありません。凍った道を歩く時は重心を少し前に置き、足は若干内股にして小さな歩幅でペンギンの様に歩くと滑りにくいとされています。その時の状況によって歩く場所や歩き方が変化するのです。

人生はよく道に例えられます。そしてその道は天気や季節、歩行者の人数などの環境によって変化します。その時にどこをどのように歩いたらいいのかを考え、判断する力が必要となります。そのためには、それまでの体験と知識の他に、何を考えの基準とするのかという事が重要になります。三育幼稚園では神様の御言葉である聖書を基準にしています。年長児は間もなく幼稚園を卒園し、小学校という新しい道へ踏み出そうとしています。これまで暗唱してきた聖書の言葉が、新しい歩みにおいても道しるべとなるよう願っています。

「あなたの御言葉は、わたしの道の光 

わたしの歩みを照らす灯。」

詩編119編105節(聖書)