園長便り2018-04

「目盛のないものさし」

 園長:平田泰三

   

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札幌は一番よい季節になりましたね。今、全国のイオンさんではわたくしどもの関連機関アドラ・ジャパン(ADRA)国際援助機構の活動、ミャンマー学校建設支援募金に協賛して下さっています。イオンさんにお出かけの際は、ぜひ、ご協力をお願いします。(麻生店では地下の上りエスカレーター付近に5月27(日)まで設置してあります)。

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さて、人は何か判断し行動する時、意識する、しないにかかわらず、必ず何かの「価値観」に基づいてそれを行っています。三育幼稚園では、聖書の価値観を土台に運営を行っております。その価値観について「目盛のないものさし」と表現しました。聖書の神様は「愛の神様」と書かれています。そして、その愛は「永遠」に続くものとされています。「目盛のない」とは「永遠」を、「ものさし」(価値観)は「愛を大切にする」というものです。一方、人間の愛は「有限」で、「一時的」「限りがある」ものです。また、人はさまざまな価値観を持ち多様性ある存在です。それは、すばらしいことですが、人間の愛は、今、残念なことに「バランスを崩している」とされています。その中で、人は、すれ違ったり、辛い思いをしているのではないでしょうか。そこで、有限な「人の価値観」に加えて、もう一本の「目盛のないものさし」をお持ちになることは、心にゆとりが生まれ、安心感につながり、人の愛のバランスを整えるものとなります。聖書の中に「99匹の羊と一匹の羊」の物語(マタイ福音書18章10-14節)があります。天の神様を象徴する羊飼いは、99匹を野原においてでも、迷子になった1匹のために命がけで捜しまわるという内容ですが、これは、99匹も1匹も、両者は神様にとってかけがえのない存在であることを教えています。一般社会では「99匹か1匹か」という選択の中で「1匹」は「切り捨て」られてしまうのですが。この物語は「排除」の考えから「共に」生きる道、視点があることに気づかせてくれます。