園長便り2017-15

 子どもを抱きしめられる時期は短い

 園長:平田泰三

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大雪の中、保護者の皆様には発表会に足を運んでいただき、温かいご声援有難うございました。

また、ボランティアをしてくださった大道具、園児係りのお母様方、本当にありがとうございました。おかげで発表会を無事行うことができました。こころから感謝いたします。

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さて、ここしばらく「自律」というテーマを考えています。我が家のことをふり返りますと、わたくしは転勤族なので大切な時期、親の転勤に左右されないようにと、系列の全寮制の三育中学校(茨城)・三育高校(広島)へ娘3人を進学させました。中学から全寮制の学校に入れるため、一緒にいることのできる時期は小学校まで。その間に、親として大切なことは教えておかなければという自覚はありました。

また、子ども側も親から友人へと大切な「関係」がシフトする時期でもあり、よい「自律」が促されたのではないかと思います。もちろん親として学費を払うなど、社会的義務は続きますが、「親離れ・子離れ」は物理的に進みます。

子どもは中学に入ると、日々の学習に加え、寮生活では洗濯、そうじ、アイロンがけ、整理整頓、身の回りの事は自分でこなさなければなりません。友人・先輩・後輩の中で規律を学び、人間関係が成長します。今、中2の三女は帰省時には一人で札幌と茨城間を行き来しています。離れていることに寂しさはぬぐえませんが、離れているからこそ、お互いの存在を大切に思えたり、祈りあったりすることができます。我が家の例に限らず、親が子どもを抱きしめてあげられる時期はそんなに長くないのかもしれません。ぜひ今の時期、「自律」のために、お子様をしっかり抱きしめてあげてほしいと思います。これは文化の違いであるかもしれませんが、欧米には家族や親しい友人同士が自然に「ハグ」する文化、日常があります。このスキンシップには「こころを落ち着かせる効用がある」という医学的データもありますから、最初、照れがあるとは思いますが、家族同士で実践されてみてはどうでしょうか。