園長便り2017-12

「ギューーーッ」「パッ」の大切さ

園長:平田泰三

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秋の遠足に出かけました。天候が心配されましたが、子ども達は目を輝かせ、一生懸命背伸びをしながら、豊かに実ったぶどうの実に手を伸ばし口にほおばる姿がとてもほほえましかったです。

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さて、前回は「甘え」と「甘やかし」の違いについて、精神科医の明橋先生の著書をご紹介しましたが、今回もそのテーマに関連して「ぎゅー、ぱっ」の大切さをお話します。「ぎゅー、ぱっ」とは、「ぎゅーー」と抱きしめて、「ぱっ」と離すこと、です。上手に子どもの「甘え」を満たしてあげることは、子どもの「自律」(自分で考え判断して行動できること)のためにとても必要で、大切なことです。「甘えん坊」になるのではという心配があるかもしれませんが、そうではありません。「甘え(精神的なもの)」と「甘やかし(物質的なもの)」を間違えることなく、よく親に「甘え」ることのできた子は精神的に「自律していくことができます。どうも、人には、こころの中に愛情を注がれる目にみえない「コップ」のようなものがあるようです。そこが満たされると(=安心すると)こどもは外界へ一歩を踏み出せます。子どもが親御さんに「だっこ」を求めてきた時は遠慮せず時間の赦す限り「ぎゅ――っ」と抱きしめてあげてください。しばらくすると子どもの方から「もう大丈夫」(とはいわないかもしれませんが)親御さんの手から離れようとするはずです。その時は「ぱっ」と手離してあげること、親離れ、子離れの第一歩です。親御さんにとっては、一抹の寂しさがあるかもしれませんが、お子さんの健全な成長の為に大切です。また、しばらく外界で過ごすと「抱っこ」と親御さんの手に戻ってくると思います。その繰り返しを楽しみ、実感して見てください。お子さんにとって、親御さんは大切な「安全基地」なのです。

教会では毎週土曜日を「安息日」とし礼拝を行っています。これは大人になったとしても、安全基地が必要で、神様(=親の象徴)のもとに戻って、しっかり休む(安心する)必要があることを意味しています。礼拝にはどなたでもいらっしゃることができます。ぜひ親子でご参加くださり、ご家族で安心感を得ていただきたいと思います。